赤道原則に関する三井住友信託銀行の取り組みENGLISH

三井住友信託銀行は、プロジェクトファイナンスなどの融資にあたり、自然環境や地域社会に及ぼす影響に十分な配慮をすることを求める民間金融機関のガイドラインである「赤道原則」に2016年2月に署名しました。

赤道原則とは

赤道原則とは、民間金融機関が大規模なプロジェクトに融資を実施する際に、そのプロジェクトが自然環境や地域社会に与える影響に十分配慮されていることを確認するための基準です。具体的には、プロジェクトファイナンスと特定プロジェクト向けのコーポレートファイナンス、および将来的にこれらに借り換えられる予定のつなぎ融資が対象となっており、プロジェクトの所在国や業種を問わず適用されます。
赤道原則は、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が制定する環境社会配慮に関する基準・ガイドラインに基づいており、この基準・ガイドラインは、環境社会影響評価の実施プロセスや、公害防止、地域コミュニティへの配慮、自然環境への配慮など多岐にわたります。

赤道原則には2016年3月現在、世界83行(輸出信用機関を含む)が署名しています。署名金融機関は赤道原則に基づいた対策等をプロジェクト実施者に求め、特に発展途上国における大規模案件においては十分な配慮を要する場合が多く、赤道原則において求められる水準を満たさない場合は融資を見送ることもあります。

※1 プロジェクトファイナンス・アドバイザリー・サービス

※2 バイヤーズクレジット型の輸出金融は含み、サプライヤーズクレジット型の輸出金融は含みません。さらに、アセットファイナンス、買収ファイナンス、ヘッジ取引、リース、信用状取引、一般資金、会社の操業維持を目的とした一般運転資金も除かれます。

赤道原則採択の背景

三井住友トラスト・グループでは「サステナビリティ方針」のもとに「環境方針」「人権方針」等を定めており、持続可能な社会の構築を目指すと共に、国際基準のESGリスクマネジメント体制の一層の強化に取り組んでおります。三井住友信託銀行は鉱山開発、石油・ガス開発、発電所、石油化学プラント、インフラ整備などの大規模プロジェクトへのファイナンスが間接的に自然環境や地域社会に負の影響を与える可能性があるという認識を持っています。また、環境問題や社会問題を原因としてプロジェクトが中断した場合の貸出債権の価値が劣化するリスクを回避・低減することも健全な金融機関としての責務と考えています。

当グループのサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の特定の結果、投融資先への環境・社会影響への対応の重要性が明らかになったため、プロジェクトファイナンスの与信判断プロセスに民間金融機関のグローバルスタンダードとなっている赤道原則に基づくリスクマネジメントの手順を組み込む必要があると判断し、採択することといたしました。

当社における赤道原則の運営体制

社内運営体制と赤道原則適用のプロセス

当社は赤道原則の採択にあたり、赤道原則の枠組みを踏まえた環境・社会への配慮方針及び環境・社会影響の評価手順を定めた社内運営ルールを制定し、個別のプロジェクトに関する環境・社会影響の評価をストラクチャードファイナンス部が実施しております。

環境・社会影響レビューの実施

ストラクチャードファイナンス部は、赤道原則の適用対象となる案件について、事業者によるプロジェクトの環境・社会に配慮する対応が、赤道原則が求める水準を満たしているか否かを確認する環境・社会影響レビューを実施します。環境・社会影響レビューにおいては、対象プロジェクトはスクリーニングフォームに基づき環境・社会リスクに応じて以下のA、B、Cの3つのカテゴリーに分類されます。ストラクチャードファイナンス部は、カテゴリーとプロジェクトの所在国(指定国、非指定国)や業種に応じた環境影響評価書等を元に詳細なレビューを実施します。環境・社会影響レビューの結果は審査部署へ送付され、審査部署は当該レビュー結果も踏まえたうえで、総合的なリスク判断を行います。

カテゴリー 定義
環境・社会に対して重大な負の潜在的リスク、または、影響を及ぼす可能性があり、そのリスクと影響が多様、回復不能、または前例がないプロジェクト。
環境・社会に対して限定的な潜在的リスク、または、影響を及ぼす可能性があり、そのリスクと影響の発生件数が少なく、概してその立地に限定され、多くの場合は回復可能であり、かつ、緩和策によって容易に対処可能なプロジェクト。
環境・社会に対しての負のリスク、または、影響が最小限、または全くないプロジェクト。

赤道原則遵守状況のモニタリング

環境・社会関連法規制、許認可に関する重要項目を遵守する旨を融資契約書に反映し、借入人から提出される定期報告書等により、赤道原則適用案件が環境・社会関連の諸規則を遵守して行われているか定期的に確認しています。

社内研修体制

本年2月の赤道原則採択に際し、赤道原則の概念及び環境・社会影響レビューの実施フローに対する理解を醸成するため、営業担当部門、評価部門、審査部門、その他関連部署を主な対象として複数回にわたり社内研修を実施いたしました。今後も定期的な社内研修の実施を通じて、赤道原則の理念と環境・社会影響評価のプロセスに対する理解を深め、従業員の環境・社会配慮に対する意識の向上に一層努めてまいります。

赤道原則適用実績

2016年2月1日から2016年9月30日の間に赤道原則を適用した案件数は以下の通りです。

プロジェクトファイナンス案件

※2016年2月1日から2016年9月30日までの適用件数

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